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熟女と少女の間には(若妻の公認交尾報告パート1)
第2章 嫉妬
 人生とは何とも悪戯で気まぐれなものである。だがしかし、私たちもその時点においてはまさかその後にこのような展開が待ち受けているとは夢にも思っていなかったのだ。


 すべては運命の悪戯、すべてはこの夏の夜から始まったのだ。


 その日は昨日までの蒸し暑さとは打って変わって朝から妙に風が冷たく、天気予報を聞かずとも雨になるだろうことを予感させた。


 折しも午後から雨となり、夕刻が近づくにつれて雨はその勢いを増すばかりだった。


 宴もたけなわ外の荒れ模様とは裏腹に、座敷は大いに盛り上がっていた。


 不意に妻の様子がおかしいことに私は気づいた。それまでぴたりと私に寄り添い、あちこちに笑顔を振りまいていた美香が、妙に落ち着きをなくしていた。


「美香、どうしたそわそわして。下痢でも堪えているのか?」


 私は軽く冗談を飛ばし、なに気なく美香の視線の先を眼で追った。そしてそのまま笑い顔を強張らせた。


 宴席の向こうから、笑顔を浮かべてこちらに向かって来ようとしているグレーのスーツの男がいた。


 脇田だった。脇田哲夫。五年前に城南支社から名古屋に転勤していった男。以前の美香の上司、そして過去の美香の恋人。


 一瞬で私の心臓が膨張した。すべては過去のことであり、いまさら思い起こしたところで仕方がないにもかかわらず、私の根深い嫉妬心は、早くも燻り始めていた。


 そうこうしている間にも、脇田は親しげな笑みを浮かべ、私たちの前に立っていた。元が東北のほうの出身というだけあって、さすがに私と違って肌が白く、ちょっと女性的な顔だちではあったが、どことなくきりたんぽを連想させるような柔和な雰囲気があった。


「やあ、杉森さん、しばらくでした」


 と、脇田は私に向かってにこやかに右手を差し出した。


 脇田と私とは、ほぼ同年代だが、職場をともにしたことは一度もなかった。


「やあ、脇田さんしばらく。元気でしたか」


 私も右手を差し出して、さも再会を喜ぶかのような笑顔を作った。


「杉森さんもお元気そうで。都会はやっぱりいいですね。なんといってもエネルギーが湧いてきます。たまに来ないといけませんね」


「おいおい名古屋だって立派に都会じゃないか。東京だけが都会じゃないぞ」
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