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Kiss Again
第13章 白いパーカー

 「お邪魔します」
 言うと思った。 愛美は ちゃんと靴まで揃える。

 「周くん 前もこんな大きなテレビ あった?」
 「ううん。 実は 社内コンペの10位の賞品」
 「へぇ 豪華な賞品だね」
 「切番で 1位と同じくらい豪華だった」

 実は これを見せたくて 部屋に誘ったのもある。

 「それから・・・」スイッチを入れる。 「これ。 映画観放題」
 「わぁ すごぉい。 周くんも映画 好きなんだ」
 「う、ん。 これから 好きになる。 愛美 映画好きだろ?」
 「・・・ うん」
 「ソファがないから ベッドに座って観るのが 特等席かな」

 「でも 周くんの方が もっと好き」
 「えっ?」
 「映画より 周くんの方が もっと好き。 一番好き」

 月々千円ほどで スゴイご褒美をもらってしまった。

 「じゃあ お風呂に入った後 観ようかっ」
 「じゃんけんで 勝った方から 入る?」
 「愛美から入ればいいよ」
 「そう? お言葉に甘えて・・・」

 「歯ブラシ 愛美のだから」

 どれだけ 今日を楽しみにしてるんだって、自分でも思うけど。 正直 楽しみだったのだから仕方がない。

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