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Kiss Again
第6章 暗い力
 愛美は 一度バスルームに消え 着替えてきた。

 たっぷりとしたかんじの薄紫がかったグレイのワンピースで  ウエストがやや絞られ 愛美の身体が どれだけ細いのだろうと 想像させるデザインだった。薄いピンク色の靴下も履いている。

 ゴミ袋を上下に振って 空気を入れて膨らませると 次から次へと 男の所有物らしきものを入れ始めた。少しすると 別なゴミ袋も同様に膨らませ そこにも分けたものを入れていく。どうやら それは本物のゴミらしかった。

 すぐに一つ目はいっぱいになった。

 愛美は 時折 無意識に髪を耳にかけるようなしぐさをした。
 愛美自身が まだ今の髪の長さに慣れていないようだ。

 寝室のクローゼットの扉を開け 男物の衣類を取り出した。
 ハンガーにかかったものは ベッドの上に投げ出していく。収納用のボックスは 中身を確かめながら積み上げてい く。

 クローゼットの半分が 空洞になった。
 愛美の四年間だ。

 見ると 奥に文庫本がきちんと並んでいる。かなりの量だ。

  高校時代の愛美は 本好きだった。 放課後 図書館の前のベンチで 本を読んでいる愛美を よく見かけたのもだ。

 愛美が ベッドに腰をおろし 服のハンガーをはずし始めたので 隣に座って 手伝った。
  おれがハンガーをはずし 愛美に服を渡すと それを畳んで ゴミ袋に入れる。
 ひとつでは足りず またゴミ袋を膨らました。

 寝室の壁に ドガの複製が飾られている。
 首に黒いリボンを巻いた踊り子は うつむき 両手を トゥシューズを履いた足へ伸ばしている。

  そういえば 愛美は バレエをしていたはずだ。
  誰かが 愛美は バレエがあるから 太ってはいけないのだ、と言っていた。

  部屋は 少しづつ 押しやられていた愛美が 姿をにじみだしてきた。

 ゴミ袋は 5つになっていた。

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