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Kiss Again
第7章 横浜にて
 外人墓地まで来ると 夕暮れが始まっていた。 フェンスにつかまるようにして オレンジ色の太陽が沈むのを ふた りで眺めた。後ろには 観光客のざわめき。スマホで写真を撮っている人。 互いの腰に手をまわし 通り過ぎてゆく 恋人たち。

 「りお、のこと 覚えてる? 『スターダスト』で2回位 会っているんだけど」
 「うーーーん。 何人も紹介されたからなぁ。どのこかなぁ」
 「髪が肩までで かわいいこ、だけど」
 「女の子は みんな同じにみえるからなぁ」
 「えっ そーなの? 莉央は 可愛いよ。同じじゃあないよ」

 おれ この前まで 恋愛アレルギーだったから 女の子なんて 見てなかったんだけど。うまく説明できないよな、 そーゆーの。

 「あのね、今日は 彼氏が泊まりに来ているから だめなの」
 何が だめ、なんだろう。
 「でもね 明日は 泊めてもらえるから」
 あっ そういうことか。「鍵を替えてもらえるまで 部屋には帰るな」とか 自分で言っておいて。
 愛美は 鍵を取り替えてもらうまで おれんちにいるのだと なんとなく思っていた。
 そうだよな。彼女じゃあないから そんなにいつまでも いないか。

 「周くん。今日も 泊めてもらってもいい? 襲ったりしないから」

 襲ってもいいし いつまで いても いいんだけど。 そんなこと 言わないし。
 「いいよ。指きり する?」
 「指きり しない」


 なんで?
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