この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Kiss Again
第8章 夜の時間
おれのマンションの前で 愛美を先に降ろし
「車 返してくるから 先に 部屋に帰ってて」
と 鍵を渡すと 鍵をじっとみている。
ーーー 鍵 持ってていいよ
って 言えないよな。 彼氏じゃあないから。
「ひとりで お風呂 入れる?」
「先に入っていて いいの?」
「うん。潮風で なんかべたつくし 疲れただろ?
もしかして 一緒に入ろう、って 誘ってる?」
笑う。
否定しろよっ。
レンタカー会社の駐車場に 緑色の車を乗り捨て 部屋にもどった。
ピンポーン、とう音に すぐにドアが開いたので 驚いた。
「おかえりなさい」
ドアのところで 待ってた?
ちゃんとシャワーを浴びたみたいで 自分の黒いTシャツと 朝はいていたハーフパンツに着替えている。 さっきより幼い感じだけど くつろいで それほど不幸そうにみえない。
シャワーから出てきたおれに ビール缶を差し出しながら
「周くん ここ ケガしてるよ」 肩を指していう。
首を捻って 肩を確かめ
「愛美に 噛まれた」 というと
パチパチと瞬きをして
「いいえ。わたしではありません」 きっぱり。
えっ。。。
おぼえてない、とか?
「そんな 乱暴なことは しません」
ほんとうに おぼえてないのかよっ。
ビールを飲みながら まじまじと愛美を見ていると さすがに自信がなくなったみたいに
「ほんとう?」
「いや。 そういえば 昨日 ライオンに噛まれたんだった」
おれが渡したビールを くぴっと飲むと 神妙に 「ごめんなさい」
謝るような こと?
「痛かった?」
イッーした口元で 聞く。
可愛くて ちゅっと 音をたててキスして
「べつに」
おれ
自分のテリトリーだと 自然に振舞えるんだけど。