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Kiss Again
第10章 スターダストにて

 『スターダスト』は 混んでいた。

 奥の席は 団体さんぽい人達が盛り上がっている。

 カウンターの 入り口側の席が ふたつ空いているだけだったから 仕方なくそこに並んで座った。 気持ち的には カウンターではなく 落ち着けるボックス席で話したかったのだけど 忘年会シーズンでは 無理というものだ。

 オーダーをとるマスターの眉が 少し上がった。

 ん? なんか おれ 悪いことしてる?

 ふたりで スコッチの水割りをたのんだ。
 ひとくち飲んで「なんか ずっと気まずいよな」 と言った。
 「うん。 まだ引きずってるぽくて いやだよね」
 「新しい彼氏 できた?」
 「おれより いい男なんていないだろ? って言ってる?」
 「まさか」

 夏見も 重い空気を 少しでも軽くしようとしてくれているのが感じられる。

 いい女、だよな。
 なにが いけなかったのだろう?
 なんで あんなに傷つけ合ったのだろう?


 そのとき ちろん、というベルの音とともに ドアが開いて 愛美が 入ってきた。
 二ヶ月半ぶりの愛美は 緑色の髪を茶色にし 寒さに赤らんだ頬は 少しふっくらしてみえる。


 「あっ・・・周くんだ」

 今まで 一番聞きたかった言葉を 至上最大のバッドタイミングで 聞いた。

 愛美の口元が 「だ」の形のまま とまった。

 ベージュ色のコートの下は 以前のような オフィスガール然としたアイボリーの編みこみ模様のセーターと紺色とグレイのチェックのタイトスカートだ。

 元通り、なのか?


 「ひさしぶり」
 その言葉を 搾り出すのが 精一杯だった。

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