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Kiss Again
第11章 岩田の恋バナ

 「周人 おまえ 同窓会 来なかったよな」
 「え・・・ 同窓会?」
 「だと、思った。知らなかったの?」


 そういえば 高校から届いた封書をみた。 後で ゆっくり見るつもりで・・・冷蔵庫の上に置いて・・・ 忘れた・・・

 「うん。いつ?」
 「ゴールデンウィークの4日の日。卒業生の誰かが支配人やってるホテルで。 体育館 建て直すらしい。 その寄付金集めが主だったんじゃないか」


 体育館か。 さんざんお世話になったよな。
 あそこが 高校生活の半分は占めていた。 なくなるのか・・・ずいぶん 時間がたったんだなぁ。

 体育館を出ると 少し離れて図書館があった。図書館の周囲に 『文学のこみち』という樹木が並んでいる小さな空間があった。不規則な間隔をあけてベンチが置いてある。 クラブを終え 体育館を出ると そのベンチのひとつに 本を読んでいる愛美の姿を 時折, みかけた。ひっそりとうつむき加減に本を読んでいる。そこだけ時間が止まっているような不思議な光景だった。


 岩田は 目ざとく愛美をみつけ しばらく惚けてその様子を眺めたりしていたものだ。

 『文学のこみち』なんて 最初は くっさい名前だと 笑った。
 でも それは 恋人たちのささやかな逢瀬や 恋の告白の場所として 生徒たちになじんでいた。

 おれも そこに女の子をよびだして こくったし 愛美が 岩田に「ごめんなさい」を告げたのも 『文学のこみち』だった。


 体育館を立て替えると あそこはどんな風にかわるのだろうか。



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