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離島性体験 〜M男君〜
第2章 1986年に5月に起きた悲劇
静かに開いた障子の音は卓郎には聞こえなかった。卓郎はぼやけた記憶の中で耳についたイアホンに指がかかると驚きで震えた。

「虫ッ」

その時には卓郎の口に柔らかい人の手がのった。

「しー。虫じゃないよ。夜這いだよ。ひくッ」

その声に卓郎は震えて緊張が走った。驚きで起き上がり卓郎の目は先生の目を直視してしまった。

「冗談、ひッ、一緒に寝るよ。卓郎。」

天井から光る電球の黄色と障子から反射する光が畳の上で女性らしく座る彼女を照らしている。タンクトップでショートパンツ、髪の毛が湿っていて石鹸の香りが女性の香り、初めて感じるドキドキに卓郎は見つめてしまっていた。

「ほらほらほら、ひッ」

「酔ってますか?」

「いいから、そっち」

そう言って無理やり狭い布団に入ってきた。二人は並んで寝転んだ。卓郎は酔って絡んでくる父親を思い出した。どうせすぐに眠る。そう思っていた。

「卓郎、こっち向いて」

「はい。先生ッ」

そう答えて卓郎が背中を向けていた体制から向きなおすとまたあの時の唇の感触が戻ってきた。先生の小さく軽く触れる唇は今日はすごく震えてた。目も鼻も前に見た光景と違っていた。

「見すぎ。目を閉じろ。」

そう言って先生はおでこをつけてきた。思わず先生?って反射的に卓郎は言った。

「もう先生じゃない。明代、明代って呼べ。」

沈黙してしまった。卓郎は混乱してフリーズした脳ミソで止まってしまった。
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