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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 「なんで また 僕の前に現れたの?」
 「ちがう・・・ あなたがみつけたのよ」
 海の顔はみえない。 つい触れたくなるような髪の毛だけが お腹のあたりにのっている。

 「なんで こうしているの?」
 「あなたが 近づいてきたのよ」
 この髪の毛を ペット用のシャンプータオルで ゴシゴシこすった。
 「なんで あゆなの?」
 「それは難しくて 答えられない」
 「なんで? なんで あゆじゃあなきゃ だめなの?」
 「わたしも 知りたい」
 「せっかく 忘れられそうだったのに・・・ なんで また僕の前に現れたりしたの?」

 「・・・ 空港で わたしのことなんか 放っておけばよかったのよ」
 「あんな 派手なキスシーンを見たのに? あんな大胆なことして。 本当は 嫌味のひとつでも言ってやろうと思って待っていたんだ」
 「嫌味を言うつもりだったの?」
 「僕を苦しめるだけ苦しめて 自分は派手な恋愛して・・・ 嫌味くらい言わせてもらおうと思うよ」

 苦しめて? わたしが あなたを苦しめた? 
 あなたの方が わたしを苦しめたのでしょう?

 「なんでそうなるの?」
 ひどいのは あなたでしょう?
 「お熱のせいで 頭がおかしくなってない?」
 「あの時は そう思ったんだよ・・・ 腹が立って・・・ 悔しくて 酷い目にあわされたようで いてもたってもいられなかった・・・」

 「本当は あゆが泣いているのを ずっと見ていたんだ。 立ち上がって 僕を見つけるのを待っていたんだ。 でも いつまでたっても泣き止まなくて・・・ いつまでも座ったまま泣き続けて・・・」

 海は 掴んでいたわたしの手を口元の持って行き キスをした。

 「見ているのが辛くなったから 声をかけたんだ」

 空港で 世界中で 地球上で ひとりぼっちだった。 それを見ていたの?
 優しいふりをするために?

 「忘れることしか考えていなかったんだよ。 また始めるつもりなんかなかったんだよ。 それなのに 車の中で あゆが寝たりするから」
 「・・・つい・・・ 寝てしまって・・・ ごめんなさい」
 「あんな風に 無防備で あんな風に 傷ついて・・・すっかり変ってしまって・・・でも 変っていなくて」

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