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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 どのくらいうたたねをしていたのだろう。
 海の頭の重みで 脚はしっとり汗ばみ 痺れている。
 海の腕が ゆるく腰を抱いている。

 目が醒めると 意外なくらい気持ちは晴れやかだった。 迷い うろたえ 縮こまりかけていた心が 軽くなっていた。
 あの広いだけに余計空虚さを感じさせる海の部屋を見たときに 多分 気持ちは溶け始めていたのだ。 ただ あの痛みを忘れてはいけないという警告のせいで そのことに気がつかないふりをしていただけだ。

 今度はゆとりのあるしぐさで 海の髪を撫でてみた。 腰に巻きつく腕も煩わしくない。 「ごくろうさま」みたいな感情が湧いてきて おかしかった。

 「あゆ? 起きた?」
 「あ・・・ら・・・ 海は起きてたの?」
 「目が醒めたら あゆが寝ていたから」
 「つい・・・ うとうとして・・・」
 「あゆって どーなってるの? こんなときでも 寝てしまうなんて」
 笑いを含んだ声でからかう。


 そういえば 眠ってしまう前に 空港からの帰り道 車の中で眠ってしまった話をしていたっけ。 わたしって 確かに どこでも寝てしまう。
 「そこのところだけ お子様仕様になっているのかも」
 「そこだけ? 他は 女仕様?」

 「お熱を計ってみましょうか?」
 「いやだ。 熱が下っていたら 追い出すつもりでしょう?」
 「そうでしょう? 治ったら 帰らなくっちゃ」
 わざとらしく咳をする。
 「熱が下っていても 治っていない場合は? まだいてもいい?」
 見上げた海の目は 赤く充血している。

 「お熱は計ってみましょう」

 海の頭を膝からどけて 立ち上がろうとすると 首に回した海の腕が力強くわたしを捉え キスされた。
 「わたしに風邪をうつして 自分はよくなる作戦を 未だに決行中なの?」
 「あゆ・・・ 笑ってる。 怒らないの?」
 「あのね キスするほどには 海のこと好きじゃあないから」
 また 唇を噛み切ってしまいそうなキスをする。

 「好きを うつす」
 「不可能です」
 「不可能を可能にするのは 恋の常・・・」

 海は わたしをラブチェアに押し倒し 抱きしめた。

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