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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 海は 思いがけず潔くわたしの中から出てゆくと 柔らかく抱きしめてくれた。
 「じゃあ セックスするほど好きになってもらえるよう 頑張る」
 「・・・」
 「いっぱい いっぱい 頑張るよ。 もっと もっと 頑張るよ」

 「あゆは 初めて好きになった人だから」
 「えっ?」

 以前 自分から付き合いたいと思ったのはわたしが初めてだと 海は言った。 それは もてることの自慢? くらいにしか考えていなかった。
 ごめんなさい。
 わたしは ちゃんと あなたの伝えたいことをわかっていなかったみたい。


 「身体を繋げても どうにもならないことくらい わかっているんだ。 ただ・・・ あゆが欲しくて・・・ 欲しくて・・・ どうすればいいのか わからない」

 わたしも どうすればいいのか わからない。

 そのまま ひとつベッドで眠った。
 迷子の子猫が身を寄せ合うように 温め合いながら眠った。
 必ず 朝がくるのはわかっているから 眠れた。


 穏やかな日曜日をともに過ごし 海のお熱は36度台まで下った。
 海は 着ていたスウェットを自分で洗濯機を回し 自分で干した。
 夕暮れどきに
 「おかげさまで元気になりました」
 と言葉を残し 帰って行った。

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