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Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 別に寂しかったわけではなかった。
 いつに増してお天気がよく お洗濯と掃除をすませると ぽっかり時間が空いてしまった。 コーヒーを前に 本を広げたところだ。 印字を見ても 珍しく引きこまれない。 そのせいで時間が空いたように感じてしまう。
 海がこの部屋にいたからといって 何も変らない。 「コーヒーを飲みますか?」と聞くだけだ。 そうして海が 「いただこうかな」と返事をするだけだ。 返事とともに返ってくる笑顔があるだけだ。

 海がいたからといって 特別なことはなにもない。
 海がいないからといって 特別でもない。

 それなのに ”何をしていますか?”とラインを送った。


 海から 「部屋に来ないか」と誘われた。
 そんなことをしたら 海がわたしの部屋を訪れるより さらに関わり合いが深まることになる。 その覚悟ができているのかわからないまま 手ぶらでいくことができず、サンドイッチを作る材料を買い揃え 海の部屋を訪問した。 
 わたしは 新しいことをやるときには なんらかの理由が必要なのだ。 ずるくて小心ものだから。

 海のマンションは 駅を降りると見えるくらい近かったので 方向音痴のわたしでも ひとりで行けるはずだ。
 駅を出ると 海に 「着いた」とラインを送った。 「迷ったら 連絡して」と返信があった。

 ドアを開けてくれた海は 落ち着いたベージュのセーターを着て 爽やかに笑っている。 何度でも その美しさに驚く。
 「あゆの方から来てくれるなんて」
 「お昼に サンドイッチを一緒に食べようかと思って」

 居間のパソコンの周りには 本や経済紙や 何かのデーターの書類らしきものが積み上げてある。

 「お忙しいそうなのに 突然 来たりして。 サンドイッチを食べたらすぐに帰ります」
 「あゆが来てくれるなんて。 喜んでいるのに もう帰る話をするんだ」

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