この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Kiss Again and Again
第21章 はじまりは こんな風に

 パソコンの周囲以外は 相変わらず殺風景で 生活感がない。 この前、この部屋を見た時には わたしは打ちのめされ謙虚になった。 今日は なぜか安心感を味合っている。
 買い物袋をキッチンに置き 「手を洗いたいのですが」 眼鏡をかけ パソコンに向かい、集中しかかっている海は
 「玄関に一番近いドアが バスルームだから」
顔を上げずに応えた。

 一つ目のドアがトイレなのを確認し 隣のバスルームに入って手を洗おうとした。

 大理石を模した洗面台に埋め込まれた真っ白な陶器には 長くて細い茶色い髪の毛が2本 落ちていた。
 手を洗うことができず 虚ろに立ちすくみ それを眺めた。
 突然 猛烈な吐き気に襲われ、バスルームを飛び出し トイレにしゃがみこむと 吐いた。 何度も 吐いた。 胃の中には コーヒーとりんごしかないはずなのに 繰り返し 吐いた。

 バスルームのドアが大きな音をたてて閉まったことを 何やら不審に思った海が
 「あゆ?」
 海が覗いたときには 吐くものなどないのに 空嘔吐を続け、便座にうっぷして泣いていた。
 「あゆっ! 大丈夫? ・・・どうしたの?」
 答えることができず 泣きながらトイレに座り込んでいた。

 海は タオルを取りにバスルームに行き 濡れタオルを作ろうとして わたしと同じものを見たはずだ。
 もどってきて わたしの顔を濡れタオルで拭きながら
 「あゆ・・・ ちがうんだ・・・ あゆ・・・ちがう・・・ そうじゃあない・・・」

 呪文のように言い続けたけど わたしの涙は止まらなかった。

 なぜ この人は 何度も こんなやり方で わたしを傷つけるの?

/464ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ