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Kiss Again and Again
第4章 デート

 ひとまず 大学のカフェテリアに落ち着いた。 お昼食をとっている学生、勉強をしている学生、おしゃべりをしている学生。 スーツを着ているのは 就職活動中の学生だろうか。 ここだと目立たないだろうと 祈りたいような気持ちだった。

 立花先輩は 穏やかに笑って 怒っているようには見えない。

 「ライン 読んでくださいました?」
 「うん。読んだ。 仲村さんって ラインやメールで なんでも すませちゃうタイプ?」
 あ・・・ 失礼なことしたんだ、わたし。 あんなに楽しい時間を過ごした人に対して ラインですませてしまうとか。 わたし ひどい。
 「ごめんなさい。 確かに とっても失礼なことしてしまって」
 「失礼、とかじゃあなくて こんな風に 会って話せばいいことでしょう?」
 「ごめんなさい。 本当に そうです。 ごめんなさい」
 「そんなに謝らないで。 責めているわけじゃあないんだから。 なんだか 僕の方が悪いことしているみたいな気がしてしまう」
 「そんなのことないです。 先輩は悪くないです。 申し訳ないと思っています」

 「何がいけなかったの? 僕は 何か 失敗した?」

 立花先輩は 少し眉を寄せて 真剣そうに見える。 こんな 何でも思うがままにできそうな人が わたしの答えを待っている。 どんな説明をすればいいのか。 ただ 首を振ることしかできない。
 「違います。 何も悪くないです」
 こんなこと 説明できない。

 「好きな人が いるの?」

 あ・・・ ここで頷けば スルーできる?
 でも 嘘をつくことになる。
 首をふってしまった。 立花先輩と これっきり、というのは なんだか・・・つらい・・・ 
 わたし すごくイヤな子だ。

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