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マリアは里奈のセーラー服に手をかけた。
第1章 1
というかそもそもここは、現代日本によく似ているが、どこかしら「ずれ」が生じている。例えば今住んでいるこの家の近所にコンビニは存在しないし電気ガスも通っているが水道だけはどうやら違うようで。井戸から水を汲んでいる。
そういえば近所の子供達が「魔法の水を飲んでみたい!」と言っていたが……うん?もしかするとあの世界の技術はこちらではもう既に失われている、もしくは廃れてしまった可能性もあるのか?いやまあどちらにしろ、だ。
「……はあ」ため息一つ。
「マオちゃん」
「ひゃっ!」いきなり背後で声を掛けられたので思わず跳び上がってしまったではないかどうしてくれるんだ一体!
「……驚かせたならごめんよ。でも良い匂いだね。何か作っているところだったの?」……振り返るとそこに居たのは黒に近い灰色のような色合いの長い髪、やや細めに整えられた髭、黒い瞳、浅黒く日焼けした肌の……壮年の男性だった。私の父、という事になるのだろう。名前はアベルといい私と同じダークエルフ族のようだが他の家族とはあまり似ていない気がする。あとどうでもいいけどこの父、私に対して妙に当たりが強い。私を溺愛してるというわけではないんだろうが……。まあ私を産んだ母は病で亡くなっているらしいし、そういう事もあるんだろうか。ともかく私は今現在、父の所有する屋敷の一室を与えられてそこで暮らしているのである。ちなみに父との会話はほぼゼロ。最低限必要なことのみ、といった塩対応である。
「……これはシチュー」鍋の中をお玉ですくうと、ふわり、と白い湯気が立ち上り。
「へえ……」父はそれを少し嗅いで、それから興味津々で見つめる小さな息子の頭を優しく撫で。「いい香りだけど火傷しないようにな」……。
何今の。
まるで「父親らしい事をしたぞ」とドヤ顔をしたかったかのような仕草に見えるのは……いや待ってくれ考え直させてほしい!まさか父、子供好きだったとかそういう事なのか?え、なにこのツンデレ的なノリ……だとしたらちょっとキュンときてしまった自分にドン引きしたいのですが……どうしよう!とまあそれはさておくとしても問題は。……父が、明らかに「仕事中」なのが分かってしまう点である。「さすがに見過ごす事は出来なくてね」と彼が語るのを聞いて、やはりな、と思いつつも「じゃあ行ってくるよ」と手をひらりと振って歩き出した背中に。「いってらっしゃい」と見送って。
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