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明日奈
第1章 セーラー服上着とスカートを履いて完成した。

「では改めて……海の向こうには何が待っているか、まだ誰も見たことが無いのです。どこまで泳いで行けるか競争する?――それもいいわ、でもせっかく海に来たのだから――」
その先は言えなかった。なぜなら、いつの間に近づいて来たのかリーファとシリカが両サイドを固め、リーフが後ろに立ったかと思うと両手で明日奈のお腹と背中に指先をすべらせながら抱きついて来たからだ。
「ええ、行きましょう」
リーフの言葉に続いて、四人はほぼ同時に声を上げた。
「海に潜ってみたくないですか」
その言葉を最後に、一行の周囲は突然闇に包まれた。いや、暗闇ではなく深い青だ。そしてその中はまるで水中のようだった。明日奈の体は完全に浮き上がり空中の静止を強要された。手足を動かすことができない。その時明日奈は自分が巨大なガラス容器の中に入っていることを知った。それは四角い台座に乗せられた円筒形の筒であり、底面に細かい溝のようなものが見える。そこから水が循環してきている。周囲の闇に眼を向けるとその奥は深淵だ。果てはどこにもない。
これはVR空間だ。それも今までに経験したことのないほどの大規模な仮想現実システムを使っている。そう思った時。
「ようこそお嬢さん、いや、桐ヶ谷明日奈殿」
そう言って目の前に姿を表した人物を見て明日奈は思わず叫びそうになった。なぜならそこに立っていたのは……須郷信之その人だったから。しかも彼は黒いコートを身に纏っていて、手には奇妙な意匠を施されたいびつな金属片を持っている、それが何らかの鍵だとすれば彼が閉じ込められている場所がこの施設の中心部なのかもしれない。明日奈が観察するようにその姿を見ていると須郷は微笑み
「そんな怖い目で僕を見ないでくれないかな。君は僕の理想の女性そのものなんだ、もっと穏やかに接して欲しいものだ」
その先は言えなかった。なぜなら、いつの間に近づいて来たのかリーファとシリカが両サイドを固め、リーフが後ろに立ったかと思うと両手で明日奈のお腹と背中に指先をすべらせながら抱きついて来たからだ。
「ええ、行きましょう」
リーフの言葉に続いて、四人はほぼ同時に声を上げた。
「海に潜ってみたくないですか」
その言葉を最後に、一行の周囲は突然闇に包まれた。いや、暗闇ではなく深い青だ。そしてその中はまるで水中のようだった。明日奈の体は完全に浮き上がり空中の静止を強要された。手足を動かすことができない。その時明日奈は自分が巨大なガラス容器の中に入っていることを知った。それは四角い台座に乗せられた円筒形の筒であり、底面に細かい溝のようなものが見える。そこから水が循環してきている。周囲の闇に眼を向けるとその奥は深淵だ。果てはどこにもない。
これはVR空間だ。それも今までに経験したことのないほどの大規模な仮想現実システムを使っている。そう思った時。
「ようこそお嬢さん、いや、桐ヶ谷明日奈殿」
そう言って目の前に姿を表した人物を見て明日奈は思わず叫びそうになった。なぜならそこに立っていたのは……須郷信之その人だったから。しかも彼は黒いコートを身に纏っていて、手には奇妙な意匠を施されたいびつな金属片を持っている、それが何らかの鍵だとすれば彼が閉じ込められている場所がこの施設の中心部なのかもしれない。明日奈が観察するようにその姿を見ていると須郷は微笑み
「そんな怖い目で僕を見ないでくれないかな。君は僕の理想の女性そのものなんだ、もっと穏やかに接して欲しいものだ」

