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天使のいたずら―ママとマキちゃんの●●な体験―
第5章 いたずら
「いけないっ・・・もうこんな時間。」

ママは時計を見て言いました。

ハンドバックを抱えると、慌しく玄関に向かいました。

「じゃあ、ママは出かけてきますから。」

追いかけてくるマキちゃんに言葉を投げながら、靴を履いています。

「文雄おじさんの言う事を聞いていい子でいるんですよ。」

「うん、ママ。」

大きな声で返事をした娘のおでこにキスをすると、ママは出て行きました。

「大変、遅れちゃうわ。」

ヒールの音を高々と上げながらマンションのホールを出ると、男の声が呼び止めました。

「美香さんっ・・・。」

「あっ・・・お義兄さん。」

香水のいい匂いが鼻先をかすめると、文雄おじさんの胸はざわめきました。

ツーピーススーツをまとった美香ママが、とても綺麗に見えたからです。

「ちょっと、遅くなったかな?」

おじさんは照れ隠しに笑みを浮かべました。

でもそれを無視するかのように、ママは早口にしゃべりました。

「いいんです、いつもスミマセン。ごめんなんさいっ・・・急いでいるので出かけますけどマキの事をお願いします。あと、冷蔵庫に冷たい飲み物がありますので・・・・・。」

そして足早に去っていきました。

「ちぇっ・・・・。」

ママの姿が見えなくなると文雄おじさんは唾を吐きました。

「何でぇ・・・あれが義兄に対する態度かよ・・・まるで・・・・。」

召使のようだ、と思いました。

「人が暇だから子守に来てやってるのに、本当・・・ふざけてるぜ。」

ポケットからタバコを取り出して吸おうとしましたが、空でした。

「チキショウメ・・・・。」

急にムカムカと怒りがこみ上げてきました。

「しょうがねぇ・・・買ってくるか。あの家に置いてある筈、ねえもんな・・・。」

マンションを出て歩きながら、ママの姿を思い出していました。

(ゾクッとするような・・・。)

いい女だと思いました。

少し茶色に染めた長い髪は肩先を遊び、白いうなじをちらつかせていました。

潤んだ大きな瞳が何とも言えず色香を漂わせて、見つめていました。
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