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第4章 逃亡犯

男の名前は田島良平４３歳。

元ＡＶ監督である。

通称オヤジ。

うだつの上がらない生活に嫌気がさした男は、携帯電話で詐欺をする商売に手を染めたのだ。

仲間である長髪のアゴヒゲは伊藤隆志２８歳。

元ＡＶカメラマン兼男優である。

通称タカ。

銀髪は門田修一26歳。

同じくＡＶ男優だが、まだ使い走り程度である。

通称シュウ。

三人は短期間で、数億円にものぼる金額を荒稼ぎしていた。

ＡＶビデオの撮影で、芝居には慣れている。

チームワークも良く、即興で巧みに言葉を繋ぎ被害者達を騙していた。

だが遂に正体がバレ、指名手配されてしまった。

警察の目を巧妙に誤魔化し、九州に逃亡すると見せかけて北陸の地に潜んでいたのである。

この別荘は密かに田島が借り切っていたもので、よくＡＶの撮影に使用していた。

最近は使っていなかったのだが、高飛びする経路に北陸から出る船を利用して北朝鮮経由で中国に逃げるつもりであった。

既に資金は上海の隠し口座に振り込んであり、今週北朝鮮からやってくる貨物船を待っている所だった。

響子達が気づかなければ、このまま帰すつもりであった。

船は明日か明後日には到着する手筈になっている。

連絡を待つ間、ジッと息を潜めていたのである。

だが、田島の目は往年のＡＶ監督の目に戻っていた。

（こんなに、いい女だったとはなぁ・・・・。）

響子の身体を、舐めるように見つめている。

（しかも女子高生のおまけつきとは、堪らないぜ・・・・。）