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第4章 逃亡犯

不精ひげの顔を歪ませて覗き込んでいる。

「うっ・・・。」

ひかるが放ったツバを顔面に受けると、声を漏らした。

「触らないでよっ・・・・。」

キッと睨み付けながら、ひかるが叫んだ。

「こいつっ・・・・。」

銀髪のシュウが掴みかかろうとするのを、田島が制した。

「これは嬉しいなぁ・・・現役女子高生にツバを引っ掛けられるなんて・・・・。」

指で拭いながら嬉しそうに呟く。

「うまい・・・・・最高だ・・・・・。」

その指に舌を這わせている。

「い、いやぁ・・・・・。」

おぞましさに、ひかるは声を震わせた。

「おじょうちゃん・・・・仲良くしようね・・・・。」

低い声を耳元で囁いている。

「や、やめてくださいっ・・・・。」

響子が叫んだ。

「生徒・・・・・生徒達に手を出さないでっ・・・・。」

ひかる達を守ろうと、必死の形相である。

「それは、どうでしょうか・・・・・。」

田島は含みを持たせた言い方で立ち上がった。

「タカ、シュウ・・・・よく見張ってろよ・・・・。」

言葉を残して階段を昇っていった。