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第4章 逃亡犯

その時だった。

舞は一瞬、身を躍らせると暖炉の中から燃え盛る薪を、タカの顔に投げつけた。

「ウギャー・・・・・。」

タカは両手で顔を押さえ、叫んだ。

そのスキを逃さず、響子はこん身の力でシュウの腹を蹴り上げた。

「おぐぅ・・・。」

余りの痛さにシュウは腹をおさえ、うずくまってしまった。

「早くっ・・・・・。」

響子の声に舞達は立ち上がると、一目散に玄関に走った。

（カギは内側から外れる筈だわ・・・・。）

響子は祈った。

このチャンスを逃してはならない。

しかしその願いも轟音と共にむなしく、はじけ飛んでしまった。

『キャッー・・・・・。』

余りの凄まじい音に、舞達はしゃがみ込んでしまった。

響子の背筋を冷たい汗が走った。

入り口の壁が荒々しく削り取られている。

震える表情で振り返ると、階段の途中で男が立っていた。

手にした猟銃から、煙が立ち昇っている。