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僕の叔母さんは美熟女~教えてあげるね~
第12章 ロストチェリー

文恵と健一の車が
高速道路を疾走するのと並走するように
JRの路線が敷かれている。

後方から迫ってきた特急列車が
あっという間に二人の乗っている車を追い抜いてゆく。
その特急列車の自由席車両に
大下昇と弓岡真美の姿があった。

「温泉旅行なんてひさしぶりだわ」
駅弁の箱を開いて、わあ~美味しそうと言いながら
真美はルンルン気分だった。

先日の初体験未遂のお詫びとして
昇は貯めていたお年玉貯金を解約した。
その資金を元手に真美を温泉旅行に誘ったのだ。

それぞれの両親には
昇は親友の健一と、
真美も親友の聡子と旅行に行くと嘘をついた。
『この成績で遊びに行くとは良い度胸だな』
昇の父からは辛辣な言葉を投げ掛けられた。
「期末に向けて鋭気を養うのも悪くないだろ!」
今朝、半ば親子喧嘩のような形で家を飛び出してきた。

反対に真美の両親は
真美が中間試験で全教科満点に近い成績を修めたことから「リフレッシュ旅行?自分へのご褒美なんだから楽しんでらっしゃい」と快く送り出してくれた。


「ねえ、お昼ごはんはそんなに軽くていいの?」
ランチパックにかぶりつく昇を見て
幕の内弁当を頬張りながら真美が気遣った。
まさか旅行費にほとんどの小遣いを使い果たしたなんて口がさけても言えないよなと昇は羨ましそうに幕の内弁当を眺めた。

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