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第15章 転機

もう少しで逝ける…
口に咥えたタオルをぎゅっと噛み締めて
『健一！好きよ！大好きよぉぉぉ～！！』と叫ぶ
その叫び声は口に咥えたタオルに吸収されて
「うごっ！ううっ！むぅぅぅぅ～！！」と
くぐもった声になった。

おまんこに挿した指の動きが加速する。
あともう少しというところで
吉崎の顔がフラッシュバックされた。
『ぎゃあぎゃあとうるさい女だ
ほら、お前のパンツでも咥えてろ！』
脱ぎ捨てたショーツが口にねじ込まれる感覚がした。
聡子は慌てて口に咥えたタオルを吐き出した。
タオルをねじ込まれたショーツだと思ってしまったのだ。
そして、おまんこに挿入しているのは自分の指なのに、吉崎に突っ込まれてかき混ぜられているような気がして指を引き抜くと脚を閉じた。

『まただわ…』
気持ちよく逝けると思った瞬間に
いつも必ずといっていいほど吉崎が現れる。

「私、一生セックスが出来ない体になってしまったのではないかしら…」
セックスをするのが怖かった。
だから健一と戯れていても、
「挿入して欲しい」と言うその言葉が出なかった。

私は男性を愛する資格がないのかも…
聡子の頬を涙が流れた。
これが歓喜の涙になる日は来るのだろうか？