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僕の叔母さんは美熟女~教えてあげるね~
第16章 終わりよければすべてよし
叔母さんは聡子を頭のてっぺんから爪先まで
舐めるように見定めると
「玄関でご挨拶というのも何だし
とにかく上がって頂戴な」と
聡子をリビングに招いた。
で、馴れ初めは?
ティーカップを三人分テーブルに置くと
叔母さんは二人の出会いを聞き始めた。
「あ、私の一目惚れなんです。
友人を介して恋文を渡したのがきっかけで…」
聡子は語尾をゴニョゴニョと誤魔化した。
だって、文恵ときたら親の仇みたいに
聡子を睨んでいるんだもん。
「そう、それは良かったわねえ
仲の良い友達ができて…」
今度は僕を睨み付けながら「友達」とアクセントを強めてそれ以上の関係は許しませんよという風に聞こえなくもなかった。
おまけに、叔母さんったらテーブルの下で
僕の足をおもいっきり踏みつけていた。
「私、隠れて付き合うのがイヤで…
おばさんには私の存在を知っておいて欲しくて…」
「うん、わかるわ~、
おばさんにもそういう時代があったもの」
にっこりと笑っているんだけど
叔母さんの目だけは笑っていなかった。
「私には交際を反対する理由なんてありませんもの、思う存分、この子とお付き合いすればいいわ」
夕飯、どうする?みんなで外食でもする?
文恵は、そう言ってくれたけど
内心、怒っている雰囲気を醸し出す叔母さんと食事などできる筈もない。
「いえ、私はそろそろ…」
そう言って聡子は席を立った。
「そう…、じゃあ、健一送っていってあげなさい」
優しい言葉を投げ掛けたが
とっとと帰りやがれと聞こえなくもなかった。