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凌辱のストーリー~雌犬に堕ちていく「涼子様」
第3章 やさしい夫
幸せな結婚であった。

アメリカにいた時は二人共忙しかったが、今よりは何倍も一緒にいられた。

だが日本に帰ってからは通勤に往復4時間近くかかるせいもあって、二人きりの時間が極端に減ってしまったのだ。

夫は大手商社のエリートで経済学のMBを取得していた。

背も高く、家柄も申し分が無い。

やさしくて甘いマスクをした達彦との結婚は、涼子にとって殆ど初恋に近いものだった。

それゆえに経済的にも裕福なのに、仕事に追われる夫に対して物足りなさと寂しさを感じていたのだ。

せっかく大学や留学で学んだ自分の知識も、使う事が出来なかった。

自分も、もう一度働こうかと何度も思ったが、益々二人がすれ違う事は明白なのでボランティア程度に留めているのだ。

しかし、それにしても。

と、涼子は思うのだった。

ようやく男女の、セックスの喜びを知り始めたのに。

仕事に疲れた夫は平日の夜どころか、たまの休みの日にさえも先にベッドに入ってしまう事が多かった。

夫の苦労と疲れた顔を見ると強くは言えないのと、元軍人であった祖父の厳しい躾から涼子は小さな欲望を自分の胸に閉じ込めるしかなかったのだ。

これが自分の人生なのだろうか。

雑誌に書いてあるゴシップ記事程とは言わないが、少し位羽目を外してしまう事を時々考えてしまう自分に戸惑いもしていた。

単調な時間が過ぎるだけの毎日に、自分の若さや情熱が徐々に失われていく事に、軽い恐怖を覚えるのであった。
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