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扇情の告白④ 欲望は血よりも濃く -ある家族の秘め事-
第3章 父
それからは堰を切ったように欲望のまま私の不在の時間に妻と息子は性交を重ねてきたそうです。
今日も本来は帰りが遅くなるはずだった私に隠れて性交に耽っていたのでしょう。
恥ずかしながら、私は多忙にかまけて2人のことに気づいていませんでした。

2人から話を聞き終えて、私は苦悩していました。
自分の妻と息子が性交していたという衝撃はもちろんですが、これからどうしたらいいのか考えあぐねていたのです。
仮に性交を禁じたとして、一度火がついた背徳的行為への欲求を抑えることなどできるのでしょうか。一緒に暮らしていれば毎日顔を合わせますし、私は一日の多くの時間は家におらず目は届きません。
脳裏に、私の目を盗んで身体を貪り合う妻と息子の姿が浮かびました。
そして驚くべき事に、そんな想像に心のどこかで暗い愉悦を感じる自分がいたのです。

私は混乱する頭で2人に問いました。
「今後、こんな事はやめられそうか?」
息子と妻は顔を見合わせた後押し黙ってしまいます。
「俺のことは、もう嫌いになったのか?」
今度は妻に問いました。
「いいえ、そんなことは……言い訳にならないかもしれないけど、あなたが忙しくて寂しかったのよ。だから、一番身近で愛するこの子から求められた時、私、我慢ができなかったの……。あなたのことは今でも愛してるわ」
おそらく、妻は嘘を言っていないでしょう。
家族の形を歪めてしまったのは私にも責任の一端があります。
ならば、私もその狂いの中に身を置く必要があるのではないでしょうか。

私は、恐ろしいことを言おうとしていました。

「俺もだ。お前達だけを責めたりはしない。だから、これからはみんなで愛し合おう」
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