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女たちは生きる
第4章 四 鈴世
「先輩にゆずはないでしょ砕けすぎ」
それには完全無視の秋也
「ねぇ 戸川高校陸上部員思い出さない?」
「その高校は母校だよ……陸上……陸上
えっ!秋也?あの小さな秋也?」
「失礼だなあ すげぇ伸びたんだよ 
俺!一応告った相手なんだから 
忘れるなよ馬鹿鈴!」

そうだった秋也だ 
実は自分も好きだったけど
二学年上って女子にはきつい
「断った理由覚えている?」
頷く鈴世
「今度逢ったとき身長が175㎝になってたら付き合うって言ったな」
頷く鈴世
だって私より実際低かった
もう出会う事も無いと思ったし

「俺は今185㎝だぞ」
頷く鈴世
「えっ!ちょっと待て!嘘!本当!?」
「俺は一度たりともその約束忘れてない」
「私は忘れてましたって言うより
こんなこと普通起こると思う?」
頷く秋也
「同じ会社に入るのは俺の賭けだった 
鈴が幸せならすっぱり諦めるって決めてた
敢えて傍に行って鈴を見ていたかった
鈴の事をずっと好きだったから
それが何だよ!どんな失恋したらこんな有様になるんだそれも不倫だって?」
「誰情報?捏造だ! 
不倫ではありませんから!」

「賑やかだなぁ はいビール
後は適当にご馳走するからね」

「そんなちゃんとお支払いしますから」
「気にしないで」
と言って笑いながらゆずるは
部屋を出て行った

「なあ ところで率直に今はどうなん?」
「失恋状態?」
頷く秋也
「そりゃ辛いよ たださ単に振られたならここまで堕ちないよ」
「刃傷沙汰か?」
「ないないまぁ近いか
私が鈍器とナイフでやられました」
秋也茶化さずに聞いていた
「すげぇなぁ そこまで女を痛めつける事なんてできるんかね」

「おつまみお持ちしました」
イケメン通り越し美人なんだけど
この人誰?
「兄貴鈴世先輩 鈴兄貴の夏弥」
「いつも弟がお世話になっています 
今日は来てくれて有難う」
見とれている私の頭を叩く秋也
「兄貴は鈴の二学年上だから知らないか」
「うん判らないかなあ鈴随分変わった?
まあ秋也は変わったけどさ」
「兄貴は体重30㎏ぐらい減らしたし」
凄い30㎏ダイエット教えて下さい!

「鈴だって変わった 
あの頃はもっと素直だった」
「当たり前だ!そうそういい子じゃいられないの」
秋也はふんと鼻を鳴らしビールを一気に飲んだ
「美味ぇ~鈴も飲めよ酔っぱらって話せよ失恋話聞いてやるからさ」
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