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朱になる
第1章 運命の出会い

 田中朱音は すぐに気がついた。
 「あの人だ」
 一度会っただけだったが 忘れられない。 

 青山のこじゃれたフレンチのお店で 寿退社をする教員の送別会があった。臨時教員の朱音にも お誘いの声がかかった。 青山なんて 結婚してから行ったことがない。ましてや食事なんて。
 喜んで参加したが 全てのことに 場違いな自分が感じられ 少し居心地が悪くなっていた。ひと息いれるためにエチケットルームに行き すぐには戻らず カウンターで水を求めた。

 ひとつ席を空けて座ったのに 彼の視線は 針のように葵の全身を刺した。ただ 見つめられただけなのに 身体の芯が熱くなった。

 水を飲み干し カウンターのスツールを立ち上がると 驚いたことに あそこがくちゅと音をたてた。もちろん 他の人に聞こえるようなものではないが 思わずその場にしゃがみ込みそうだった。

 見られただけで わたし 濡れている。

 奥の席に戻るまで 背中からお尻に無数の針が刺さった。くらくらして 足がもつれそうになる。
 自分でも 何が起こっているのかわからなかった。

 その夜は 男の視線を思い出しながら オナニーした。

 ふらふらと バスの後部に移動した。
 彼は わたしのことなんて憶えていないだろう。

朱音は 単身赴任の夫のところを一ヶ月ぶりに訪れた帰りだった。

 二十九歳の朱音は 熟しかけた果実で 一ヶ月の禁欲はこたえた。夫は 淡白なほうだが 月に一度の妻との逢瀬は それなりに楽しみにしており 時間をかけて愛してくれる。そんなこんなで離れがたく 夫のところから帰る際には よく深夜バスを利用した。バスだったら 駅でタクシーの列に並ばなくてすむ。

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