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淫らな館~メイドはお坊ちゃまに溺愛される~
第1章 御曹司という人
私は手をぎゅっと握って、ほのかなドキドキ感を打ち消した。

自分の家のメイドと遊ぼうなんて、言語道断。

絶対、坊ちゃまの部屋になんて、行かないんだから!


そして、坊ちゃま達の夕食が終わり、やっと私達使用人の夕食が始まった。

「はぁー……疲れた。」

私はテーブルの上にぐったりと倒れた。

仕事初日にして、この疲れ具合。

何もかも、あの坊ちゃまのせいだ。


「初日から大変だったな。指は大丈夫か?」

「あっ、はい。」

顔を上げると、あんなに怖い顔をしていた佐々木さんが、にこやかに笑っている。

「まあ、仕事は慣れるまでが大変だから、頑張れや。」

「有難うございます。」

そして出された夕食のメニューは、ビーフシチューだった。
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