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淫らな館~メイドはお坊ちゃまに溺愛される~
第1章 御曹司という人
私は坊ちゃまの手を放した。

「私は、坊ちゃまの女には、なれません。」

「どうして。」

「どうしてって、今日会ったばかりですよ?」

「そんなの関係ない。」

「あります!」

二人でぜいぜい、言い争いをした。


「とにかく私は、絆創膏を貰いに行きます。」

その瞬間、私は坊ちゃまに片手で抱き寄せられた。

「増々、気に入った。」

「えっ?」

「今夜、20時に俺の部屋に来い。いいな。」

そして坊ちゃまは、行ってしまった。

残された私は、呆然と立ち尽くしていた。


「……沢さん、吉沢さん!聞こえてますか!」

「はいっ!」

隣を見ると、東村さんが立っていた。

「全く、佐々木シェフから指を切ったと言われ探していれば、こんなところでぼーっとしてるとは。」
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