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淫らな館~メイドはお坊ちゃまに溺愛される~
第1章 御曹司という人
「すみません。」

そして東村さんは、ササッと私の指に、絆創膏を貼ってくれた。

「もう、血は止まったようですね。」

「はい。」

「早急に、キッチンへ戻って下さい。」

「はい……」


もう血が止まったなんて。

私は指を舐めてくれた坊ちゃまを思い出した。

「あの、東村さん。」

「何ですか?」

「坊ちゃまって、彼女いるんですか?」

東村さんの眉がピクッと動いた。

「いてもいなくても、あなたには関係ないでしょう。」

「ええー?だったら、メイドに手を付けてるとか、聞いた事あります?」

「ありません!そもそも、坊ちゃまには、手を出さないように伝えたはずです。」

「ですよねー。」

東村さんは、呆れた顔で行ってしまった。
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