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ムッツリ最高
第13章 旅1 行きのパーキングで
初めての、二人での、旅。
夏休みを合わせて。知った人も少なそうな、他県の温泉地へ、平日に2泊3日の旅行。
彼が車を出してくれるというので、少し離れた駅のロータリーで待ち合わせた。
柔らかな生地の、薄紫の全体的に細いプリーツの入ったサテン生地のワンピース。腰の部分を同じ生地の細い紐で結ぶ。
首元はVネック。そして、前ボタンが首元からスカートまで・・・。
彼の焦茶色のアクセラがロータリーに入ってくると、わたしの胸は高まる。
ゆっくりと泊まった車の助手席を開けると、彼が荷物を取って、後ろの席に置いてくれる。
私は助手席に座り、シートベルトを閉める。
前ボタンの、ワンピース・・・。
彼が私を見て、呟くように言う。
以前、私が、バスで一人、いやらしい妄想に包まれて、いやらしいことをした時のことを話した・・・。その時も、前ボタンのワンピースだった・・・。彼もそれを思い出しているのだと思うと、少し恥ずかしくて、少し俯く私に彼が言う。
似合ってるよ。
嬉しくて、私が彼に微笑みかけると、彼も微笑んでくれる。
じゃあ、いこうか。
彼の高い鼻梁と、目元の笑い皺、大きめの口。
ハンドルを握る大きな手。しなやかな指。
うっとりと見つめてしまう自分がいる。
多分、世間一般で見れば、彼は普通の中年のおじさんなのかもしれない。
でも、私には、私の子宮の奥を熱くさせる、たまらなく魅力的な人。
生え際の白髪も、少し緩んだ腹部も、全てが愛しい。
私が見つめるので、彼がチラッとこっちを見て尋ねる。
どうかした?
ううん・・・なんだか久しぶりな気がして・・・。
ずるいな、俺は運転してるから前を見てないと。俺も、鈴音をずっと見たいのに。
彼がそんなことを言ってくれるので、私は嬉しくなり、彼の方に体を伸ばして、ハンドルを握る彼の手の甲にキスをした。