この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ムッツリ最高
第13章 旅1   行きのパーキングで


 席にきちんと座り直した私に、彼はちょっと視線を寄せて、また前を向きながら、左手を伸ばして、私の右手を握ってくれる。

 私はとても嬉しくなって、その上に左手を乗せて、彼の手を包み込む。



会いたかったよ・・・。



 囁くような彼の言葉に、身体が熱くなる。


 初めて二人で会った日から、三週間は、週末は毎回二人で夜通し快楽を分かち合っていた。



 でも、先月末、いつもよりも強く激しく彼に抱かれて、その後に彼から、しばらく会えないと告げられた。



妻が、新しい事業を起こすんだ。
そのお披露目に、週末はずっと付き合わされる。
親戚や関係者の前では、あの人は円満な夫婦を演じたがる・・・。特に、今回は、夫婦で入るケアハウスの事業で・・・。



 彼は、暗く翳った目で、妻との関係を話してくれた。

 大学時代、彼は、恋愛とはこんなものだろうと、その妻となる人と交際していたこと。
 妻となる人は、この地方で有名な建設業を経営する一族の長女だったこと。
 彼女は人一倍プライドが高いのに、精神的に不安定で、大学を出る頃には、錯乱することもあったこと。


 そんな彼女と周りに追い立てられるように結婚したこと。


 彼女の弟が結婚してからは、早く子供を作らなければ一族が乗っ取られると、彼女が強迫観念でおかしくなったこと。
 結局弟に先に男の子ができてからは、彼のことを種無し、不能と、蔑むようになったこと。


 そして、何度頼んでも、別れてくれないこと、


 今では、別々の部屋に住みながら、でも、一族に恥を晒したくない、と、離婚だけは拒み続けること。




一度、離婚調停をしようとしたんだよ。
そしたら、絵に描いたように、彼女は僕の部屋のバスルームで、手首を切ったんだ・・・。
愛もない。なんの繋がりもない。でも、僕は、この軛から逃れられない。
臆病で、ずるいと、嫌になるかい?



 不安そうな彼の瞳を見つめて、私はキスをした。

/152ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ