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ムッツリ最高
第4章 この先へ
その時、ドアが開き、ひとりの背の高い、眼鏡をかけた50代ぐらいの男性がゆっくりとお店に入ってきた。
髪は、少し無造作に、前髪が目にかかるくらいに長めで、鼻筋がしっかりとして。清潔感のある紺のジャケットだけど、少しズボンには座りじわができている。
私と目が合うと、瞳の奥にいたずらっ子のような表情が宿り、少し口元が微笑んだ。
その口元に魅力的な笑い皺が見てとれる。
早かったですね。
彼は、まるで旧知の中のように、私の隣に座る。
カウンターの、私と彼の間に、ムラカミハルキの本を置いて。
どうして、私ってわかったんですか・・・?
私が聞くと、彼はバーテンダーが奥にいるのをチラッと確認して、私に口元を近づけて囁いた。
むっつりそうな、女性、、、だからかな?
私が少し俯いた時、バーテンダーがおしぼりを彼に差し出した。
彼は、バーテンダーに、バーボンをロックで注文すると、軽くため息をついて、メガネの位置を直しながら、つぶやいた。
ごめん、そんなこと言いながら、本当は、緊張、してる。こんなこと、初めてで。
その言葉を聞いて、私も心が少し、軽くなる。メガネを親指と小指で挟んで、顔全体を覆うように位置を治している彼の指は、とても長くて、男らしい手だった。
その手が、少し、震えている・・・。
カウンターの反対側の端で、バーテンダーが氷を削っている音が小気味よく響いている。
あんなに大胆に、あんなにいやらしい小説を書いてくれる彼が、こんなに繊細な人なんて。
その震える手をそっと握って口づけしてあげたい・・・。
私がそう思って彼を見つめていると、彼も、じっと私を見つめ返してくれた。
ああ、瞳の中に、欲望が見える・・・。
髪は、少し無造作に、前髪が目にかかるくらいに長めで、鼻筋がしっかりとして。清潔感のある紺のジャケットだけど、少しズボンには座りじわができている。
私と目が合うと、瞳の奥にいたずらっ子のような表情が宿り、少し口元が微笑んだ。
その口元に魅力的な笑い皺が見てとれる。
早かったですね。
彼は、まるで旧知の中のように、私の隣に座る。
カウンターの、私と彼の間に、ムラカミハルキの本を置いて。
どうして、私ってわかったんですか・・・?
私が聞くと、彼はバーテンダーが奥にいるのをチラッと確認して、私に口元を近づけて囁いた。
むっつりそうな、女性、、、だからかな?
私が少し俯いた時、バーテンダーがおしぼりを彼に差し出した。
彼は、バーテンダーに、バーボンをロックで注文すると、軽くため息をついて、メガネの位置を直しながら、つぶやいた。
ごめん、そんなこと言いながら、本当は、緊張、してる。こんなこと、初めてで。
その言葉を聞いて、私も心が少し、軽くなる。メガネを親指と小指で挟んで、顔全体を覆うように位置を治している彼の指は、とても長くて、男らしい手だった。
その手が、少し、震えている・・・。
カウンターの反対側の端で、バーテンダーが氷を削っている音が小気味よく響いている。
あんなに大胆に、あんなにいやらしい小説を書いてくれる彼が、こんなに繊細な人なんて。
その震える手をそっと握って口づけしてあげたい・・・。
私がそう思って彼を見つめていると、彼も、じっと私を見つめ返してくれた。
ああ、瞳の中に、欲望が見える・・・。