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ムッツリ最高
第8章 絆


もう、帰る用意を、しないとね・・・



 彼の言葉に、私は言いようのない悲しみに包まれる。

 あれほど、幸せだったからこそ、この後、どう過ごせばいいのか、わからない。
 彼のことを何も知らず、彼の住む家も、連絡先も知らず、でも、身も心も彼にあれほど満たされてしまって、私はどうしたらいいんだろう?




さあ、おいで・・・




 彼が私の手を引いて、シャワー室に立たせる。
 暖かいシャワーを私にかけて、ボディソープを泡立てて、スポンジで私の体を洗い始める。


 背中、腕、脚、、、そして胸を柔らかく洗われて、私は身を捩る。


 彼は背中に周り、泡がついた胸を、直接手のひらで、ニュルンニュルンと、洗う。



はあっ・・・



 私の吐息を聞いて、彼がスポンジを置いて、両方の乳房を撫で回しながら、乳首を弾きはじめた。



 でも、私は、これからのことが不安で、さっき行き狂っていた時のようには、心も身体も反応しない。彼は、すぐそれに気づいたようで、後ろから私をぎゅっと抱きしめ、耳元に囁いた。



どうかした??



 私は彼の方を向き、彼にギュッと抱きついて、その不安をぶつける。




どこに、住んでるかも・・・連絡先も、知らない・・・家族も、いるかも??
あんなに、すごい、、、気持ちいいこと、初めて知ってしまったのに・・・私は、明日から、どうしたらいいか、わからなくて・・・怖くて・・・。




 彼は私を抱きしめたまま、私の問いに答える。




 住んでるのは、中央区だよ。仕事はね、〇〇高校の国語の教師だ。




 彼の口にした学校は、県内でも有数の進学校だった。




そして・・・妻が、いるよ・・・。




えっ!!!




 私は息を呑んでしまう。そして、あれほど幸せだった事に、急に冷水を浴びせられたように、身体中が冷たくなった気がする。


 その時、彼が私の両頬を掌で包み、目を覗き込んで、言う。




妻とは、全く、愛はないんだ・・・身体も、心も、全く繋がっていない。
ただ、社会的に、夫婦でいるということを彼女が求めているだけなんだ・・・。
そんな、囚われたような生活の中で、君に出会えた奇跡を、僕は信じたい。


 そして、彼が、優しく私に口付ける。

鈴音、、、お願いだ、、、僕と、、、これからも、一緒にいて、、、?

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