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ムッツリ最高
第12章 彼の劣情
ホテルの2階ではあるが、先週のバーとは違って、ビヤホールのため、雑多な感じで賑わっている。
客の半分は、サラリーマンのようで、4、5人のグループが二組ほど、ホールのテーブル席でで飲んでいる。
ここは、ホテルの一角ということもあり、五時から開いているはずなので、そのサラリーマンの団体は、もう、酔いが回っている感じだった。
ホールの中央がガラス室のようになっていて、ビールの醸造樽があり、それを囲むように丸いカウンターになっていた。
店員に、カウンターで、後でもう一人くるから、と告げ、座る。
私の席は、サラリーマンの団体に背を向ける形になってしまい、少し、がっかりしてしまう。
こないだのようなことは、できないか・・・。
時計を見ると、まだ17時50分だった。
私は、せっかくだから、と、このビヤホールで醸造されたクラフトビールを頼む。
もともと、お酒は強い方だった。飲むのも好きだし、この歳になると一人で飲みにいくこともないわけじゃない。
でも、一人で飲みにいくと、妄想が止まらなくなる。
このまま誰かに強く誘われたら・・・帰り道、誰かに襲われたら・・・。
普通に一人で飲んでるだけのおばさんが、そんなムッツリな妄想してるなんて、誰が思うだろう?
頼んだクラフトビールが運ばれてきて、運んでくれたホールスタッフにお礼を言う。
ありがとう。
ホールスタッフは、20代後半くらいの、まつ毛の長い細身の男性。
いつもの私なら、妄想してしまうような相手。
でも、今日はそんな必要もない。
私はビールを飲みながら、昨日の夜を思い出す。
彼に清められた夜・・・。