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第1章 揺れる電車の中

　後ろから、彼の太くて長い指を、グッと奥まで差し込まれて。彼は私が膣奥を、ゆっくりと押されるのが大好きなのを知っている。
だから、指をグッと押し込んでくれている。
　その深い刺激に、クリトリスを弄られる感触が重なって、私はくぐもった声を喉奥で漏らし、身体を痙攣させて、果てたのだった。

「んんっ！」

　膝が、ガクガクとして、扉のバーにすがるように立ち、恥ずかしさで、俯くしかない。

　そんな私の姿に、左側の痴漢も手を外したようだ。

　その時、電車が減速し始める。

　彼がゆっくりと指を抜く。
　そして、私がどれほどはしたなく愛液を漏らしたのがをわからせるように、彼はその指を尻肉に這わせながら、最後にゆっくり、優しく私のお尻を撫で回して、左手を抜いた。
　その動きに刺激をうけて、また、私の膝が小刻みに震える。

　右手は、最後に、優しく右胸を包み込んでくれる。

(なんて、嫌らしくて、なんて優しい手・・・)

　私はうっとりと、手すりにもたれかかって、果てた後の荒い息を整えようと深く息をする。

　その時、電車が駅に着くアナウンスが流れた。

(どうしよう・・・降りなきゃ・・・でも、膝に力が入らない・・・)
　
　私は少し振り返って彼を見上げる。彼が微かに頷いたあと、腰にしっかりと手を回して支えてくれる。

　私は彼に縋るように、電車を降りた。