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ご清楚ですが何か
第13章 儚い人
「槻ちゃんは?」

「まだ寝てた。バイトで疲れてたのかも。」

松下とカフェで朝食を食べる 

「ここの店なかなか良くてさ。」

古民家カフェ風で
周りには熟年夫婦を始め、年齢層が高い人たちがトーストやコーヒーを楽しんでいた

「朝から外食するの何年ぶりかなぁ。」

幸子は大あくびをする

「口でか!」

「いいじゃなーい。主婦は忙しいの。」




ミエの病室に入る

「ご無沙汰してます。」

ミエはもともと痩せていたが更に痩せたように見える
白髪も目立っていた

「俺、何か買ってくるよ。」

松下が出ていく

ミエが窓の外を眺めている

「主人から聞いてると思うけど、、。」

声に力がない
力はないが幸子はミエの言葉に緊張した
何せ松下と関係を持っているのだ
笑って楽しく会話なんて出来るはずない

「私は長くないらしいの。」

「聞きました。」

しんみりする
なんと言葉をかけたら良いのだろう  

「幸子さんが最近結婚したって知って、言おうかどうか迷ったんだけど、、。」

儚い人だなと思う
今にも消えてしまいそうだ

「松下のこと、頼めるかしら。」

「頼む、、ですか、、。」

「あなたたちの事は前々から気付いてた。」

言葉が出ない
幸子の方が圧倒的に健康なのに
生命力は優位なのに
今のミエは随分凄味がある
幸子の方が消え入りそうだ

ミエに強く手を握られる
痛くて叫びそうになる
とても病人の力とは思えなかった

「幸子さん、松下をよろしくお願いします。」

よろしくと言われても、、

「私にはもう時間がないわ。主人にしてあげられること、息子たちを残していくこと、いたたまれない。」

ミエの目に涙が浮かぶ
幸子はハンカチを差し出した

「あの人、私が居なくなったらきっと落ち込むと思うの。ああ見えて繊細だから。サポートしてあげてね。」

サポート、、仕事のことだろうか

「松下は優秀な上司です。」

そう答えるので精一杯だった

「あと、あなたたちのことに気づいてるって、主人には内緒にしてほしいの。最後まで良い妻でいたいから。」

「これからも善き同僚として、支えていきます。」

ミエの目がこちらを睨む

「幸子さん、私は何も慰謝料が欲しい訳じゃないのよ。あの人をよろしくと言ってるの!」

「どういう意味でしょうか。」




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