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ご清楚ですが何か
第14章 抱いてもくれない
「二人とも元気ないね。」  

槻が焼いてくれたたこ焼きを黙黙と食べる
ホテルまで行って何もしなかった慎吾と気まずくて
部屋にこもりたかったが
とりあえず食べてから、と思った

ピンポンが鳴って槻が出る

「さっちゃん、尋ね人ー。」

「誰?」

「元カレだって。」

また松下の野郎はふざけて
慎吾が反応したのを見たが
とりあえず玄関に行く

「考え直せよ。チャンスだぞ。就きたくても就けない人もいる。一生平で終わる人もいる。お前は才能もある、恵まれてる。諦めんな。」

「まっつん、、あたし家族いるの。家族を大事にしたいから仕事はセーブしたいと思ってる。」

「前の結婚の時も同じこと言ってたな。で、お前はチャンスを失って結婚も駄目になった。」

「蒸し返さないでよ。」

「今諦めたら勿体ない。」

「今十分幸せなの。」

「子供はいずれ巣立つ。旦那は旦那の仕事がある。お前は?お前には何が残るんだ?」

幸子は答えられないでいた

「とにかく、言いたいことは言ったから。」

松下が帰る


食卓に戻ると慎吾が真剣な顔でこちらを見ていた
きっと松下との会話が聞こえたのだろう

「もしかして、俺があんなこと言ったから?昇進諦めるって」

「慎吾くんは関係ないから。」

「関係なくないよ。俺も、諦めて欲しくない。俺も、できるだけ協力する。」

「あたしが迫ったら逃げるくせに?」

論点をすり替えてみる
自分に関心を持ってくれない男など、どうでも良かった

「それは、、」

「あたしの気持ちには答えられない、でも協力はする?翔んだご都合主義ね。哀れな親戚ごっこだわ。」

「幸子ちゃんは魅力的だよ。」

そんなこと言うから気になるんだってば

槻が自室から出てくる

「彼氏と電話してんだからもうちょっと静かに喧嘩してくんない?」

でさ〜〇〇がさ〜、、

槻が楽しそうに部屋に戻る

「槻ちゃん、彼氏いたの?」

慎吾はショックを受けてるようだ

「姪離れしないとね。」

喧嘩はあっけなく中断したのであった

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