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水上都市の商人
第1章 私には秘密がある
「ごめんなさい。でも、これで楽になれますよね?」
「バカモノ。君が死んだところで何も解決しないぞ」
「でも箱舟を殺しちゃったからわたしも晴れて死刑になりますね。やったあ♪さっさと警察を呼んでください。お縄になります」
「いいから、座りなさい」
「座れと言われても、もう箱舟君は死んでしまいました。警察呼んでくれないなら自分で通報します。もしもしー」
「君はまだ子供だ。何も分かっていない」
「大人なら分かってくれるの?」
「もちろんだ」
「じゃあ、教えてください。私が何をしたというの?」
「君は救世主だ」
「はい?」
「だから、救世主だと言っている」
「えっと、箱舟を殺した殺人犯ですよ。おまわりさーん。わたしが犯人ですー」
エトワールは駆け付けた警官に自首した。
***
その後、彼女は警察の事情聴取を受けた。そこで聞かされたのは信じられないことばかりであった。まず最初に言われたのは「君は何も悪くない」「悪いのは全て箱舟だ」という言葉だ。次に、「君のことは我々に任せてほしい」と言われた。そして、最後に「我々は君を歓迎する」と告げられた。まるで意味不明だ。
「あの、どういうことでしょうか?」
エトワールは質問した。すると、警察は困ったような顔をした。
「それはこちらのセリフだ。なぜ、あんな奴が殺されたのに、その娘である君が生き残っているのか理解できない」
「えっ?」
「我々としては箱舟を殺せる人間など存在しないとさえ思っていた」
「は?」
「だが、君がやったのだ。実に素晴らしい」
「はぁ?」
エトワールは混乱した。
「そうだ。我々のところに来ないか?」
と警察官の一人が提案した。「君のような優秀な人材を遊ばせておく余裕はないのだ」
「あー」
エトワールは考えるフリをした。
「いえ、遠慮しておきます」
「なぜ?」
「だって……面倒臭いじゃないですか」
「なに?」
「箱舟が死んだ以上、人類の滅亡は確定したのです。わたしはたった今、自分の正体を思い出しました。御仏に仕える身です。わたしはキリスト教的な概念を殺しに来たのです。神とか箱舟とか。だからわたしは頭がツルツルなのです」
「な、なんだってー!」
警官たちが燃え上がった。そして悪魔の姿をあらわした。「フハハッ、よくもやってくれたな。このクソガキめ」
「覚悟はできているのだろうな?」
「殺す。絶対に殺してやる」
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