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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第21章 僕の帰る場所


 僕は、何も言わない。きっとクミの言い方が悪いだろうことも、今の子達は納得しないと動かない時代だと言うことも、わかっているが、言わない。
 僕は、彼女に、アドバイスをするような、そんな関心も、もうない。


 そんな僕に、クミはタブレットを見たまま、急に言った。



今日、うちに帰って来れば?



えっ?



ほら、空港からはウチの方が近いし。



いや・・・明日は仕事もあるし。僕の家に帰るよ。


 クミは、なおもタブレットを見たままで、そう、と一言だけいった。


 僕の中で、クミが「うちに帰ってくれば」と言った言葉が、僕の胸を重くする。


 確かに、今クミが住んでいるのは、2年半前まで僕も住んでいたマンションだが、僕はもうまったくあそこを自分の家だとは思っていない・・・帰る場所は、あの、父から譲り受けた家だけだ・・・。



 ちゃんと話すべきなのか・・・この、僕の考えを。その時、鈴音の姿が心に浮かんだ。
 僕の帰る場所・・・。そして、意を決した。




僕は、もう、あのマンションに帰ることはないよ。あのマンションを出て、僕は僕で暮らしてるんだ。
僕たちは、もう、つながる場所も、何もないんだよ。僕たちは繋がってないんだ・・・。




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