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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第21章 僕の帰る場所
僕がその先を言おうとした瞬間、クミは立ち上がると、僕を睨みつけるように見据えながら、冷たく言う。
離婚はしないわ。
それから、私、もう一泊して帰ることにするから。
そして、バッグを荒々しく手にすると、ラウンジから出て行った。
まったく、なんなんだ・・・。
僕は鈴音と暮らしたら、と妄想し始める。
今の、あの、父から譲り受けた家に、鈴音と暮らせたら・・・。
僕は胸が締め付けられるほど苦しくなる。鈴音への恋情の強さが、この僕を縛る軛の痛みを強くする。
しばらく深呼吸してから、僕はそっと、周りに誰もいない事を確かめ、3週間前に撮った彼女の写真を眺める。
バス停の中で、どんどん裸体を晒していく鈴音の淫靡な姿・・・。
僕は、心の中を彼女との妄想でいっぱいにしながら、飛行機に乗った。