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第23章 旅2 部屋

どうぞ、ごゆっくりなさってください



　仲居が部屋を出ていく。



　ここは、老舗の温泉旅館で、旧館は格式高い旅館、新館は大展望のインフィニティスパを屋上に備えたリゾートホテルになっている。



　僕たちは旅館側の部屋で、8階にある露天風呂付きの部屋だった。部屋は二つ。一つは畳のゆったりとした眺めの良い部屋。大きな窓際は板間になっていて、二人でゆっくり座れるカウチソファとローテーブルも置いてある。


　もう一つは、障子に囲まれて、低めの大きなサイズのベッドがツインで並んだ寝室。



　ここで二晩、彼女と過ごせる・・・。
　僕の胸は高まる。



　仲居が去った後、僕たちは窓際から庭園を眺める。



やっと、二人きりだ・・・



　僕は、ため息をつくように言った。



どれだけ、僕が我慢してたと思う・・・



　僕は、もう、彼女から目が離せない。