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第30章 嵐の後

　僕の傷は何針か縫った程度だった。クミも、夫婦の痴話喧嘩ということで、一晩警察に留め置かれただけだったようだ。



　その後、連絡もしてこない。

　僕は、病院で手当を受けて、警察で聴取を受け、朝方帰宅した。


　まだ荒れたままの家に戻ると、すぐに鈴音にメッセージをして、今週末は、会えなくなったことを告げた。




妻が、うちで暴れて、僕も少し怪我をしました。すまない。今日はは会えそうにない。



　土曜日の朝8時にもかかわらず、彼女はすぐに返事をくれた。



怪我、大丈夫ですか?



　そう返ってきた返事に、心配もかけてしまったことに、本当に申し訳ない気持ちになる。


　怪我は大したことないんだ。