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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第30章 嵐の後


奥さん・・・怒ってらっしゃるの?
私、もう、お会いしない方がいいのではないですか?



 彼女の言葉に、僕の身は捩れるような痛みを感じる。

 そして、たまらなくなり、彼女の番号にコールする。



もしもし?



 彼女がすぐに電話に出てくれる。

 その声で、僕の心は、また、鼓動をはやくする。



鈴音・・・会えなくなるなんて・・・無理だよ・・・。



 僕は、縋るように言ってしまう。

 そして、心に決意を固めて言う。



もう、妻とは、終わりなんだ・・・。僕が、心から愛しいのは、君だけなんだ・・・。もう、君なしで、いられるはずは・・・ないんだ。



私も・・・あなたといられないと思うと・・・たまらない・・・。



 何も言えないで、ただ、このまま彼女を失ってしまいたくないと言う気持ちで、彼女の電話の向こうの息遣いを聞いている。


 すると、彼女が、話しかけてくれる。



怪我って・・・?



 その言葉に縋るように、僕は、努めて明るい声で答える。



ちょっと何針か縫っただけだよ。それよりも、家がぐちゃぐちゃで、それを片付けることを思うと、ゲンナリするね。



本当に・・・構わないなら・・・お片付け、そちらに行って、お手伝いしましょうか?




 僕は、その言葉で、更に決意を強くする。
 クミがなんと言おうと、僕は鈴音と一緒にいたい・・・。



うん・・・きてくれる?



はい・・・いきますね。昨日、聴いてたご住所ですよね。


うん・・・。


お昼前には行けると思います。






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