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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第1章 メッセージ
母が亡くなって、独り身の父には、そういう晩もあったかもしれない。
ただ、その時の父は、アルバムを見ながら、自慰に耽っていた。
赤い皮の表紙のアルバム。
僕は足音を立てないようにそっと寝室に戻りながら、父が何を見ていたのかを知りたくなった。
次の日、学校から帰り、父の書斎に入ってみた。
壁は一面が本棚になっている。
そこには、フランス語の本や、難しそうな本が並んでいるが、多くは淫靡な本であることを僕は知っていた。
父の専門は、フランス文学で、大学で教授をしながら、個人的にエロスをテーマに研究していたのだ。
もう小学校高学年になっていた僕は、そんな本をこっそりと開いては、自分の下半身が反応するのを知っていた。
そんな父が、自慰をするほどのもの・・・
僕は必死でそれを探したが、書棚にはなかった。
次の日からも、僕はそのアルバムを探し続けた。
そして、父のクローゼットの天袋で、それを見つけたのだ。
夕方の西日の当たる父の淫靡な書籍に囲まれた部屋で、僕はそのアルバムを開いた。
そこには、紐で縛られた、ふくよかな女が写っていた。
その女の表情はいやらしく、男を誘うような目つきや、今にも蠢きそうな厚い唇を半開きにした顔が、僕を惹きつけた。
でも、数枚見て、気付いたのだ。
それは、母だった。
僕が知っている、アルバムに残る若い頃の母は、優しそうな、母だった。
その、ふくよかで、やわらかな笑顔をした母の、別の顔をしたいやらしい姿が、この父のアルバムには収められていた。
大きなピンナップにも引き伸ばされ、片足を縛られて持ち上げられた写真にはくっきりと陰部まで写っていた。
まだ白黒がほとんどだが、数枚あるカラー写真には、赤い紐で体を縛られ、その紐から白い肌を溢れさせるような母のむちむちとした豊満な身体が写されていた。
おそらく、この写真は父が撮り、自ら現像もしたのだろう。
昔は家に現像室もあったと聞いていた。
二人の秘密の繋がりがそこにはあった。