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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第9章 彼女の妄想
先生、さようなら!
学生たちがぴょこんと頭を下げながら帰っていくのに、僕は手を上げ答えながら、職員室に入った。
僕は県内でも有名な進学校で国語を教えている。大学の院でしばらく古文の研究をしてから、僕は教員の免許を取得し、教師になった。
僕の古文の専門は、奈良から平安にかけてだったが、個人的にはそのエロスについて研究を今も続けている。
通い婚や歌垣という、奔放で雅なエロスは面白い。
エロスは、生きているということを、最も示すことなのではないかと思っている。
そして毎日、若い高校生たちを見ていると、そのまぶしいほどの生、そして性をおもしろいと感じる。
この可愛い生徒たちは、僕がこんなにムッツリなことを知らない。
地味で、おじさんの、僕がどれほどいやらしいことを普段考えているのかも。
そんなことを思いながら、職員室に入った時、教頭のワンピースが目に入る。紺色のワンピース・・・。
僕は、自分の席で、授業の振り返りシートや、明日の準備を機械的にしながら、頭の中では鈴音の話してくれた妄想を思い出す。