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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第11章 彼女の身体
紐を綺麗に袋に入れて、僕は書斎に入る。
また机にその紐を戻して、パソコンを開いた。
この紐を結んで、楽しめる場所に・・・。
僕はネットでいわゆるラブホテルを探し、その部屋を見つけた。
隠微な赤に染まる部屋。拘束用の木製の椅子まである。
そこは、先週末共に過ごしたホテルの近くだった。
彼女とその部屋に入ることを思うだけで、僕は身体が熱くなる。
しばらくぼんやりと妄想して、僕はそのまま、〇〇銀行の独身寮をマップで調べる。
その向かいのマンションを見つけ、航空写真表示にしてから、彼女がそこに住んでいるのかと、食い入るようにみてしまう。
全く、ストーカーだな。
僕はストリートビューにまでしてしまった。
寮のベランダと向かい合わせの、窓だけの部屋・・・ここが彼女の寝室・・・。
もう帰っているだろうか。
我慢できなくなり、メッセージを送る。
送りながらまた自分に呆れている。
まったく、今どき高校生でももう少し大人に振る舞うのではないだろうか・・・。
今日は、どんな日でしたか?
文面も高校生より朴訥としている。いつも、彼女に送る一通目は、こんな感じになってしまう。頭の中でぐるぐると妄想ばかりしているムッツリだからか、意識しすぎてるせいなのだ。
いつもはすぐに返事をくれる彼女からの連絡がなかなかない。
まだ、飲み会なのだろうか。そう思っていると、彼女からの返信が届いた。
今日は、仕事関係の同期会でした。
終わってから、とても悲しい目にあって・・・。全部自分のせいだって、わかって、そう思うからこそ、今、とても、胸が苦しいです。
僕はさっきまでの浮き立つ気持ちがすっと引いて、体の芯が冷たくなるような感触だった。
なにが、あった??
彼女からの返信が全く来ない。
不安になった僕は、もう一度、メッセージを送る。
僕には、正直に、話して。
それでも返信がない。
不安感が僕を襲う。
あんなに濃密な夜を過ごし、この何日か、お互いを分かち合うようなやりとりをしてきたけれど、考えてみれば、ほんの1週間にも満たない時間。
彼女が何かあって、僕と連絡を途絶えさせてしまったら、終わってしまう関係。