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ムッツリ最高〜隆の想い〜
第11章 彼女の身体
もう、僕は、彼女なしではいられないというのに・・・。そして、その彼女がとても悲しい気持ちになっているのなら、僕がそれを受け止めて、癒してあげたいのに・・・。
僕はさっき開いていたマップで、ここからの経路を調べる。
都市高速道路を使えば、ほんの20分で着く。
このマンションの4階、この部屋・・・。
僕はいてもたってもいられず、着替えて車のキーと財布を掴むと、車に飛び乗った。
車を彼女の家に向かって走らせながら、頭の中がぐるぐるしている。
でも、悲しい顔の彼女をただ、抱きしめてあげたいと、それが一番強い思いだった。
彼女のマンションの一番近くのコインパーキングに車を止め、駆け出すようにマンションに向かい、オートロックの部屋番号を打つ。
きっと401号室だ。
押して、しばらくして、モニターがオンになった気配がする。
僕は、何を言おうか、ためらったが、結局短く一言、やっと声を絞り出す。
開けて。
すると、エントランスが解錠された。僕は焦るようにエレベーターで4階まで上がると、彼女の部屋の前で息を整えて、ドアフォンを押す。
開いたドアの向こうには、濡れた髪で、バスローブの、泣き顔の彼女が立っていた。
僕の胸が締め付けられる。
掠れるような声で、彼女に聞く。
何があった?大丈夫かい?
僕がそっと抱き締めると、彼女は嗚咽さえ漏らしながら、僕の胸に顔を埋めた。
泣きじゃくる彼女が落ち着くまで、僕は頭と背中を撫で続けた。
やっとしばらくして、彼女が落ち着いてきたので、顔を覗き込もうと肩に手をかけた時だった。彼女が小さく声をあげ、僕の手から身を引いた。
いたっ・・・。
僕は彼女のバスローブの肩の部分を捲り、アザを見る。