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コンプレックス
第2章 合コン

実際、里奈は中学時代から現在までボーイフレンドを切らしたことがない。
それも常にいわゆるイイ男に乗り換えてきた。
スポーツで優秀だったりトップクラスの学力だったり、
両親が金持ちだったりと、狙った獲物は逃がさない、それが里奈だ。
いまだって付き合っているボーイフレンドはいるのだが、
N大生ともなれば将来優秀なのは確実だ。
だからこそ、今回の合コンは絶対に成功させなければならない。
「星良ってさ、わりとイケてると思うんだよね」
里奈がサラダを箸でつつきながら言いはじめた。
「わりと、って……」
「スタイルだっていいしさ、足はやいし」
「足がはやいのは関係なくない?」
「いや、要はさ、星良に彼氏がいないのはおかしい、って言ってんの」
里奈が、キラキラした眼で星良の顔に近づいた。
薄い桜色の唇が触れ合いそうなほどだ。
「な……なに言ってんの……?」
星良は激しく動揺した。
クリクリと愛らしい瞳に花の蕾のような唇が
こんなに間近に迫ってくるなんて……。
「本当はそろそろ彼氏、ほしいんじゃないの?」
「え……いや……ええ、と……」
完全に図星だった。
ハタチを過ぎ、大学三年になるまで誰とも付き合ったことがない、
というのは星良のコンプレックスだった。
自分には女としての魅力がないのだろうか?
高校を卒業するあたりからずっとそんなことを漠然と考えていた。
彼氏をつくりたいのだが、どうやってつくったらいいのかわからない。
そんなことを誰かに相談できるはずもなく、密かに悶々としていたのだ。
それも常にいわゆるイイ男に乗り換えてきた。
スポーツで優秀だったりトップクラスの学力だったり、
両親が金持ちだったりと、狙った獲物は逃がさない、それが里奈だ。
いまだって付き合っているボーイフレンドはいるのだが、
N大生ともなれば将来優秀なのは確実だ。
だからこそ、今回の合コンは絶対に成功させなければならない。
「星良ってさ、わりとイケてると思うんだよね」
里奈がサラダを箸でつつきながら言いはじめた。
「わりと、って……」
「スタイルだっていいしさ、足はやいし」
「足がはやいのは関係なくない?」
「いや、要はさ、星良に彼氏がいないのはおかしい、って言ってんの」
里奈が、キラキラした眼で星良の顔に近づいた。
薄い桜色の唇が触れ合いそうなほどだ。
「な……なに言ってんの……?」
星良は激しく動揺した。
クリクリと愛らしい瞳に花の蕾のような唇が
こんなに間近に迫ってくるなんて……。
「本当はそろそろ彼氏、ほしいんじゃないの?」
「え……いや……ええ、と……」
完全に図星だった。
ハタチを過ぎ、大学三年になるまで誰とも付き合ったことがない、
というのは星良のコンプレックスだった。
自分には女としての魅力がないのだろうか?
高校を卒業するあたりからずっとそんなことを漠然と考えていた。
彼氏をつくりたいのだが、どうやってつくったらいいのかわからない。
そんなことを誰かに相談できるはずもなく、密かに悶々としていたのだ。

