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マッスルとマシュマロ
第13章 縋る女
夏菜子の研究室に通い始めた宏樹に、いつのまにか好意を持ち始めていたらしい。
そして、宏樹の研究を知り、ある日夏菜子からの呼び出しだと言われ研究室に行ってみると、奈保が一人でいて、自分の身体も研究してほしい、と迫られた。
宏樹は、自分の研究は、生殖年齢を過ぎた女性を対象にしているからと、丁寧に説明し、それを断った。
すると奈保は、自ら服を脱ぎ始め、宏樹に縋るように迫ってきた。
「だったら、研究は関係なく、私を抱いてください・・・」
若くて、張りの良い肌と、大きめの乳房を晒して宏樹に縋り付く。
でも、その目のあまりに真剣な光に、宏樹はたじろぎ、それに決して応じようとはしなかった。
確かに、赤裸々な性の研究はしていても、宏樹はそこに感情を伴わないように注意していたし、学生時代に、真っ直ぐすぎる女性の危うさも十分わかっていた。
その時の奈保は、まさに、危うい女だった。
奈保は、裸で宏樹に迫る時、ある意味、自信もあった。それまで、そんな風に裸で迫って、嫌だと言った男はいなかった。奈保は、欲しい男はその肢体で得てきていた。
しかし、宏樹は全く奈保に関心を持たず、裸を晒しても、平然としている。
奈保はとうとう宏樹に向かって叫ぶように言った。
「何よ、あんなにおばさんたちをとっかえひっかえしてるくせに!あなたは異常なのよ!変態!」
その時、ちょうど夏菜子が研究室に来て、その騒ぎを見た。奈保は洋服を掴み、あろうことか、裸で研究室を飛び出した。
あまりのことで、奈保を追おうかとした宏樹を夏菜子が止めたのだ。
「今行くと、彼女も止まらないわ。ほっとけば、その辺で服くらい着るわ。」
そして、その後すぐに、奈保は、夏菜子の研究室を辞めた。
「私が悪かったのよ。あの子があなたに夢中なのを知ってて。もっとちゃんとあなたの研究にセキュリティをかけておけばよかったの。」